今までは不動産の売却を考えたときに、たいていの場合は不動産業者に査定依頼をして、おおむねの売却可能価格を知る事が一般的でした。知人や友人が不動産関係に従事している場合は別として一般的にはWebサイトなどで検索したり、電話や店頭に出向き相談する事から始まります。少しでも高く売ってくれそうな、信頼できる業者選びをする事が必要な事は言うまでもありません。多くの不動産業者の中から絞り込みのは大変なことですよね。

しかしながら複数の業者に査定依頼をした場合、当然ですが査定価格は同じではありません。Webを覗けば、不動産業者の査定や売却相談時に困ったり、実際に売却依頼をしても売却活動などが不透明で不満が募ったという書き込みが多いことに気づきます。そもそも業界は最近まで一般ユーザーには実際の成約事例価格をオープンにはしてきませんでしたので、ポストや新聞折り込みチラシ等で付近の売却物件の売り出し価格は目にするものの、成約価格となると知るよしも無かったですよね。査定価格の根拠についても、業者が査定時にほんの一部の事例を開示する程度で、ほとんどが営業マン等の経験や相場感などによるものです。もちろん事例が存在すれば数多くの事例を提示する業者もあるかと思いますが、そのために査定価格がまちまちとなるのも当然のことです。また、相場による価格の決定要因は、その時々の需要と供給状況により変わります。その事を知った上で、売却を考える場合は是非とも査定価格の高さ、安さだけで判断せずに、売却方法などについてもいかに根拠のある説明があるかで判断してほしいと考えます。業者は当然に売却依頼がほしいものです。ユーザーを第一に考える前に、売り上げ優先を考える業者間による売却依頼獲得競争に不信感を持つユーザーの書き込みが多いのも、昨今の状況を反映しているのかもしれません。近い将来は成約価格の可視化が進み、不動産の価値を判断できるような鑑定価格の提供サービスなどが始まり、デジタル技術の進化とともに業界の変革が進むことを業界の一員として望みたいところです。業界的に興味深い投稿もしていきます。